ゲーム実況を中心に活動するYouTuberにとって、「ガチャに課金した費用は経費として認められるのか?」という疑問は避けて通れない重要なテーマです。特に、ソーシャルゲームやスマホアプリのガチャを動画の中心コンテンツとしているチャンネルでは、課金額が月数万円から数十万円に及ぶケースも珍しくありません。
本記事では、ガチャ課金が経費として認められるための前提条件、税務署の判断基準、注意点、記録の取り方、実際の管理方法まで、実務に即した形で解説していきます。ガチャを仕事として扱っている方はもちろん、これからYouTubeでゲーム実況に取り組もうとする方にとっても、必ず役立つ内容となっています。
1. ガチャ課金は本当に経費になるのか?判断の基本とは
条件を満たせば経費計上は可能
・YouTubeで実際にガチャを回す様子を収録し、編集した上で動画として投稿していること
・動画から広告収益や案件収入が発生している、すなわち営利目的で行っていること
・不特定多数に向けた配信であること(趣味や内輪向け配信でない)
プライベート利用との線引きが肝心
・自分が楽しむためにプレイしているガチャと、仕事のためのガチャは明確に分ける必要がある
・趣味の延長に見なされると、税務署から否認されるリスクが高くなる
所得区分による違いにも注意
・「事業所得」として認められれば、経費も幅広く認められやすい
・一方で「雑所得」扱いの場合は、経費計上がより厳格に判断されることがある
2. ガチャ課金を経費にするための具体的な条件とチェックポイント
条件 | 内容とポイント |
---|---|
動画内で使用していること | 実際にガチャを回す場面が動画で確認できること、企画として成り立っていること |
収益化されていること | YouTubeパートナープログラムなどでの収益化済みで、広告収入が発生している |
継続的な業務としての投稿 | 単発の趣味動画ではなく、継続的・定期的にガチャ関連コンテンツをアップしている |
プライベートと明確に分離している | 使用端末やアカウントが業務専用である、課金記録と動画リンクをセットで管理している |
動画との紐付けが証拠となる
・課金日や金額が特定の動画にひもづいていれば、業務使用と判断されやすい
・動画の概要欄に「課金しています」「企画としてガチャを引いています」と記載しておくのも有効
課金の証拠を残すための基本行動
・課金履歴のスクリーンショットを保存し、日付やアカウント情報がわかるようにしておく
・動画リンク、金額、ゲーム名などを一覧で管理する習慣をつける
3. 否認されやすいケースとその防止策
よくある否認パターン
・課金したが、その様子が動画にまったく使われていない(証拠不十分)
・趣味用アカウントと業務用アカウントを兼用しており、明確な区別がつかない
・課金額が収益と比較して極端に高く、業務との釣り合いが取れていない
否認を防ぐための具体策
リスク要因 | 対応策 |
---|---|
動画に使われていない | ガチャ演出、リザルト、収支まとめなどを動画に入れることで「活用」の証明に |
アカウント混在 | プライベート用と業務用でアカウント・デバイスを分離。ログイン履歴やプレイ時間も管理する |
記録が曖昧 | 日時・ゲーム名・課金額・使用動画URLをすべてスプレッドシート等で管理 |
4. 実務に使える記録テンプレートと管理のコツ
ガチャ課金記録テンプレート(おすすめ形式)
課金日 | ゲーム名 | 課金額 | 使用動画タイトル | 動画リンク |
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2024/03/15 | ガチャ英雄伝 | 5,000円 | 【爆死!?】神引き狙って10連勝負 | https://youtu.be/xxxxx |
2024/03/20 | モンスター祭り | 3,000円 | URキャラ出るまで回したら衝撃の結末が… | https://youtu.be/yyyyy |
領収書や課金明細の保存方法
・Google Play / App Storeの注文履歴をPDFで保存(毎月ダウンロード推奨)
・クレジットカードの明細書もあわせて保存し、データと照合できるようにしておく
・スクショでも構わないが、画像は時系列でフォルダ分けすると効率的
会計ソフトとの連携管理
・freee、マネーフォワード、弥生などのクラウド会計ソフトに取引登録
・動画制作費や広告費としての仕訳で記帳
・ファイル添付機能を活用し、証憑と連動させておくと申告がスムーズ
5. ガチャ課金を経費化する際の総まとめと注意点
基本ルール:「収益を得るための支出」であること
・あくまで動画制作の一環であると説明できるかどうかが分かれ目
・無計画な課金や、ただの娯楽としてのプレイはNG
グレーな支出ほど「見える化」が命
・誰が見ても納得できる資料と記録が揃っていれば、税務調査でも説得力がある
・動画の概要欄での説明、台本や制作メモの保存も役立つ
税理士との連携でより安全に
・不安なケースや判断に迷う場合は、税理士に事前相談を行う
・経費の比率や証拠の整合性もプロの目でチェックしてもらえる
ガチャ課金は単なる「ゲームの楽しみ」ではなく、動画という形で公開・収益化されることで、立派な業務経費となる可能性を持っています。もちろんそのためには、計画性・記録・証明力が求められます。
動画制作にかけた費用としてガチャ課金を適切に処理し、節税にもつながる運用を心がけましょう。あなたのYouTube活動が継続的に成功するためにも、税務面の知識と準備は非常に重要です。